猫バスに乗るとサツキとメイの姿はなぜ消えてしまうのか?【となりのトトロの都市伝説を考察】


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今回はいろいろと謎が多いことで知られるとなりのトトロの考察などをしてみたいと思います。

となりのトトロは何かと都市伝説のネタになっているアニメですね。なかでも一番有名な都市伝説はラストシーンでサツキとメイが既に死んでしまっているという説です。

勿論この説は間違いなわけですが、なぜこのような都市伝説がささやかれるようになったのでしょうか?

今回はそういったとなりのトトロのいくつかの都市伝説について分析してみたいと思います。


サツキとメイは既に死んでしまっている説の根拠はなんなのか?

まず、ラストシーンでサツキとメイが既に死んでしまっているという説がなぜまことしやかにささやかれるようになったのか?なんですが、その根拠はおそらくラストシーンでサツキとメイが母親の病室の前の木の枝に座っているにも関わらず、両親から目視できないことからきています。

このシーンではサツキとメイがすぐ近くにいるにも関わらず、両親からは明らかに二人の姿が見えていません。そして面白いことにサツキとメイも両親から自分たちの姿が見えていないことをちゃんと認識しているように見えます。

そしてこのことが既にサツキとメイが死んでしまっていて幽霊になっているからだと解釈され、この都市伝説が広まっていったというわけですね。

ただこの説はもちろん間違いです。というのもその後、サツキとメイがおばあちゃんやカンタと再会するシーンがちゃんと描かれているからです。まさか幽霊なのに再開できるわけがありませんからね。

ではなぜサツキとメイの姿が一時的に両親から見えなくなってしまったのでしょうか?次はこの点について考察してみたいと思います。


猫バスは風の属性をもつ精霊

さて、ではなぜサツキとメイの姿が一時的に両親から見えなくなってしまったのか?という問いなんですが、結論から言ってしまうとサツキとメイはその時、風になっていたから両親から姿が見えなかったということになります。

いったい風になっていたとはどういうことだ?と思うかもしれませんが、簡単に言うと猫バスは風の属性をもつ精霊であり、サツキとメイはこの時猫バスと一体化していて風になっていたから両親から見えなかったというわけですね。

サツキとメイはこの時まさに風そのものになっていたので、姿が透明になっていたわけです。

ではなぜ猫バスは風の属性をもつ精霊だと言えるのか?なんですが、その根拠は猫バスが普通の人間には風にしか見えないからです。もちろん猫バスが普通の人間には風にしか見えていないことを示すシーンというのがちゃんと描かれています。

そのシーンというのがサツキが夜、火を沸かすための薪を取りに庭に出た時、突然突風が吹いて手に持っていた薪が飛ばされてしまうシーンです。この時サツキのすぐ近くを猫バスが猛スピードで通過したので手に持っていた薪が飛ばされたわけですね。

この時点ではサツキもまだトトロや猫バスが見えていない状態なのでサツキにも猫バスは風にしか見えていないわけです。

この他にもサツキがメイを探すために猫バスに乗った後、おばあちゃんやカンタのすぐ近くを通るのに二人の目には猫バスの姿もサツキの姿も見えないというシーンがあります。

このシーンを見ても普通の人間には猫バスの姿は風にしか見えないし、風の属性を持つ精霊である猫バスと一体化したサツキもやはり人間の目には風にしか見えないことが示されているわけですね。

実を言うと宮崎駿はこの映画についてのインタビューのなかで、猫バスは風の精霊ではないといった趣旨の発言をしています。ただこれは猫バスを風の精霊だと決め打ちしていないという意味で、猫バスに風の属性がないという意味ではないと思います。

実際、猫バスは普通の人間の目には風にしか見えないというふうに描かれているわけですから、猫バスが風の属性を持っていることは明らかだというわけですね。


トトロは土の属性を持つ精霊

では猫バスが風の属性を持っているとすると、トトロはいったいどんな属性を持った精霊なのでしょうか?

この問いについて結論を出すのは難しいですが、一番近いのは土の属性ではないかと思います。勿論トトロについても土の精霊であるという決め打ちはできません。トトロは空を飛びますから空の属性があるといった見方もできますし、木の根っこに住んでいますから木の属性があるとも言えそうですね。

私がトトロに土の属性を見るのは、トトロ達が劇中で見せるいくつかの行動が土の属性を連想させるからです。

その行動のひとつがトトロ達がドングリを集めていることですね。つまりドングリを集めて育てることがトトロ達の仕事なわけです。またトトロ達はサツキとメイの夢の中で瞬く間にドングリを大きな木に成長させてしまいます(夢だけど夢じゃなかった!)。こうしたトトロ達の行動が土の属性を連想させるわけですね。

この他にもトトロが土の属性を持った精霊であることを思わせるシーンがあります。

トトロ達は大きな木の根っこの所に住んでいて、メイは木の根の間に空いた穴に落ちてトトロと遭遇するわけですが、この穴をメイ達が後で確認しに行くとなくなってしまっています。この時いったいなにが起きていたのかというと、穴が開いたり塞がったりしたわけではありません。

この時メイは神隠しにあって行方不明になっているわけですが、メイは木の根の間に空いた穴に落ちたというよりも土の中に落ちたわけです。つまりサツキが猫バスと一体化して風になったように、メイもこの時トトロと一体化して土になっていたわけですね。

メイはこの時、土と一体化して土という自然現象の一部になっているので人間の目からは土にしか見えなくなっているわけですね。

そもそも精霊というのは自然現象を具象化したものですから、普段はトトロ達自体が人間の目には自然現象にしか見えないわけです。ですから、サツキが猫バスと一体化して風になりメイがトトロと一体化して土になり、人間の目からは自然現象にしか見えなくなるのもなんら不自然なことではないというわけですね。


DVDのパッケージに描かれている女の子はいったい誰なんだ?

さて、ここまでは「ラストシーンでサツキとメイが既に死んでしまっている説」について考察してきましたが、じつはとなりのトトロにはもう一つよくわからない謎が仕込まれています。

それが「DVDのパッケージに描かれている女の子は一体誰なんだ?」問題です。

もう一度、DVDのパッケージに描かれている女の子を確認してみてください。


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この女の子、いったい誰なんでしょうか?

このシーン、サツキはメイをおんぶしているはずですが、描かれているのは女の子は一人だけです。一見するとこの女の子はサツキだと思うわけですが、じつは髪型はメイの髪型で、付けている髪飾りもメイの物です。

更によく検証してみると、この女の子の身長はサツキよりも低いことがわかります。劇中ではサツキはメイをおんぶした状態でもこの女の子よりも身長が高いんですね。

つまり結論としてはこの女の子はどう見てもサツキではないということになります。

ではいったいこの女の子は誰なんでしょうか?

ここからは私の推測なのですが、この女の子の正体はサツキとメイを合成した人物ではないでしょうか。ここに描かれている女の子は外見的にサツキとメイのちょうど間をとった人物だと考えると合点がいく気がします。

更にサツキとメイの合成という意味ではもう一つ興味深いことがあります。それは二人の名前の意味で、サツキとメイで二人とも五月という意味です。つまり名前でも二人の合成が起きているわけですね。

どういうわけかここにサツキとメイを合成したもう一人の女の子の存在が浮上してきます。

さてこれはいったいどういうわけなんでしょうか?

私が行きついた結論はこうです。その結論とは、サツキとメイはそもそも一人のキャラクターだったのではないか?というものです。つまり最初の構想の段階では登場する女の子は一人だったのが、ストーリーを組み立てている段階で二人の女の子に分けられたのではないか?というわけですね。

そう考えるとDVDのパッケージの絵は、となりのトトロの最初の構想段階の絵が使われたものだということになりますし、そう考えるとこのDVDのパッケージに仕込まれた謎も納得できるのではないかと思います。

勿論これは私の推測にすぎませんけどね・・・

ということでここまで、となりのトトロをめぐるいくつかの都市伝説について考察してみました。それにしてもこういったファンタジー映画というのは、いろんな解釈が出来るのでいろいろ考察してみると面白いですね。

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