続編の連載も始まったということで前作のあらすじをおさらい【気分はもう戦争 漫画評】


気分はもう戦争 (アクション・コミックス)

気が付いたら大友克洋の新連載が始まっていて、この漫画の続編だそうです。


漫画アクション No.9 2019年5/7号 [雑誌]


うっかり第一話を読み逃したので新作の方はまだ読んでいないんですが、旧作の方は読んでいるので今回はその旧作の内容のおさらいを書きたいと思います。

さてその旧作のストーリーですがこの漫画が連載されていたのは1980年頃ですので、この頃の時代背景をあらかじめ頭に入れておく必要があります。特に政治の面での基礎知識を予習して読まないとちょっと理解しづらいんですね。

時代背景としてはまだソビエトが存在していた時代で、そのソビエトと中国が戦争になるというのがこの漫画の背景になっています(勿論、戦争は現実ではなく、あくまで漫画上の設定です)。

そしてこのソビエトと中国との戦争に直接関係のない日本人が首を突っ込んでいくことで物語が進んでいく、というのがこの漫画の構成になっています。

一応、漫画の主人公は、はちまき、めがね、ボウイ(この人はアメリカ人)という三人なんですが、オムニバス形式なので他の日本人も沢山出てきて、なぜかみんなこの戦争に首を突っ込もうとしていきます。

主人公三人のストーリーとしては戦争に参戦するために中国国内を東に向かって進んでいくも、参戦する前に戦争が終わってしまうというもので、途中小競り合いはあるものの戦争に参戦できなかった三人は新たな戦争を求めてアフリカに向かって終わります。

この三人以外の日本人の登場人物のストーリーとしては、大学受験に落ちた受験生が中国の義勇兵になるために出国しようとして射殺とか、中東の組織からアメリカで武器を買い付けにきた男が組織を裏切って武器を上海に運ぼうとして途中で刺殺とか、なぜか多くの日本人が中国に義勇兵として加担しようとして死にます。

この漫画が連載されていた時代というのは日本経済が絶頂期に入ろうかという時代ですから、日本人がわざわざ隣の国の戦争に首を突っ込む必要などもちろんないわけですけど、それでもある種の閉塞感があってこういった行動に出てしまう人を描いているわけです。

今の時代は今の時代で閉塞感がありますが、この時代にはこの時代の閉塞感があって、そうした閉塞感から逃れるためにこうした行動に出てしまうというわけで、これがこの漫画のタイトルになっている「気分はもう戦争」ということなのでしょう。

冒頭にも書いた通り私は新作の方はまだ読んでいないんですが、前作の内容を踏まえると新作のストーリは今の時代の閉塞感から逃れるために多くの日本人がどこかの関係のない戦争に首を突っ込んでいく話になるんじゃないかなと予想します。

新作の表紙を見る限りだと主人公の三人も随分年を取ったみたいなので、この三人がどうなるかも注目ですね。私はコミックが出たらまとめて読もうと思います。

【イラストTシャツの販売をしています。よろしければ見に来てくださいね】


【リアル絵Tシャツ屋さん】


【このブログのおすすめ記事の一覧です】


おすすめ記事一覧