東京の街は美しいのか否か?問題【東京夜行 書評】


東京夜行 マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集II〈『東京店構え』に続く第2弾! 新海誠監督との特別対談も収録! ! 〉


東京店構えがヒットしたマテウシュ・ウルバノヴィチの作品集第二弾です。

この作品集でも外国人の目から見た東京の街が繊細な水彩画で表現されています。この作品集では夜の東京がモチーフになっていて、日本独特のネオンサインやごちゃごちゃした町並みなんかが緻密に描かれていますね。

この人の絵は非常に緻密で細かなところまでちゃんと描きこまれている点が好きところです。絵に嘘がないところが好感が持てますし、それでいて生々しくもなっていないというところが見事なところですね。

あと、この作品集の最後には新海誠との対談も収録されています。これは著者が「君の名」の背景制作に参加していたことから実現したみたいですね。

面白いのはこの対談の主要なテーマが東京の街は美しいのか否かについて話し合われている点です。やはり日本人の目から見れば日本の町並みは美しいとは言いがたい面があると思いますし、その日本の街をモチーフに作品を作る場合どうしてもこのことが問題になるわけですね。

さてその「東京の街は美しいのか否か?問題」の結論ですが、新海誠は東京の街を美しいと言い、マテウシュの方は面白いとかユニークだと言っています。

新海誠が東京の街を美しいと言うのはなんとなくわかる気がしますが、やはり一般的な日本人の感覚だと東京の街を美しいとはなかなか言えないなぁといった感じがしますね。どちらかといえばマテウシュの様に面白いとかユニークとか言ってもらった方が個人的には共感できる気がします。

そういう意味ではこの作品集のコピーになっている「夜の東京なら好きになれるかもしれない。」というのはなかなか良いコピーですね。夜の東京なら美しいと錯覚できるかもしれないというわけで、一般的な日本人の心情をよく代弁していると思います。

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