フィフス・エレメント [Blu-ray]
リュック・ベッソンのSF映画フィフス・エレメントはこのビジュアルのかっこよさから公開当時かなり期待して見た記憶があるんですが、蓋を開けてみたらストーリーがコメディーだったということもあって、見終わた後期待していた自分の気持ちをいったいどう収めればいいのか困った記憶があります。
もちろん自分の期待がズレてしまったのはストーリーだけで、ビジュアルの面ではむしろかなり満足したんですけど、それだけにこの映画を自分の中でどう処理していいのかよくわからなくなったわけですね。
ビジュアルの部分は物凄いんですよ。デザイナーにバンド・デシネの作家であるジャン=クロード・メジエールとメビウス(この人はアドバイザー的に)が参加していて、衣装デザインはジャン=ポール・ゴルチエがやっていて、ビジュアル的には全くもって隙が無いんですよ。
リー・ルーがビルから飛び降りるシーンはとにかくかっこよくて、これから凄いことになりそう・・・と思ったらそこからどんどん話がコメディーになっていくというね・・・
このビジュアルでちゃんとシリアスな話をやってくれていたらなぁと今でも思います。
さて、この映画のストーリーの鍵といえばやはりタイトルになっているフィフス・エレメントなのですが、フィフス・エレメントとはつまり世界を構成する四大元素(水・火・土・風)に次ぐ第5元素のことで、この映画の中では第5元素は愛だということになっています。
これはヨーロッパの哲学からきているもので、四大元素(水・火・土・風)を結合させる力が愛だと考えられていたことからきているようです。
この他、ヨーロッパの哲学ではエーテルが第5元素として考えられていたようですが、これはヨーロッパの哲学者達が真空を認めなかったことによるもので、真空を認めない以上そこに何かないといけないということで出てきた概念ですね。
これがインドの哲学や仏教になると第5元素には空が当てられて、五大元素(地・水・火・風・空)になります。有名な密教の真言である「ア・ビ・ラ・ウン・ケン」は五大元素(地・水・火・風・空)という意味ですね。
インドの哲学の空という概念は真空とはまた違うので、じゃあ空とエーテルはどう違うんだと言われると頭がこんがらがってきてしまいます。我々の普通の頭ではもうこうなると訳がわかりませんからね。
ですのでそうなったらもうこの映画の様に第五元素は愛だ!愛だったんだ!と考えて、ハッピーエンドにしておくのがいいかもしれません・・・
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