イラストで読む 旧約聖書の物語と絵画
この本は見ての通り歴史的な絵画とヘタウマ漫画で旧約聖書の内容を超わかりやすく解説した本でして、漫画なので旧約聖書の物語のあらすじを頭に入れる入門書としては最適な本ですね。
この本では登場人物の相関図や地図で移動したコースが示されたりしているので、目で見て旧約聖書の物語のあらすじを頭に入れることができると思います。
旧約聖書はご存知の通りキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の源流となった書物ですから何かとても崇高なイメージがあったんですが、この本を読むとそのイメージは完全に崩壊します。
それはこの本がヘタウマ漫画で描かれているということも勿論ありますが、それ以上に旧約聖書の物語の内容が思った以上にひどいからです。読んでいる途中からこれはひょっとしてコメディなのか?と思えてくるほど登場人物のやることなすことがひどいわけです。
それどころか神もやることなすことひどくて、すぐに人間を容赦なく粛清します。おなじみ創世記のノアの箱舟の物語では人間だけでなく動物たちまで洪水で綺麗に粛清。その後バベルの塔をぶっ壊し、悪徳の町であるソドムとゴモラの住民も有無を言わさず粛清します。
出エジプト記では金の子牛象を拝んだイスラエルの民をこれまた容赦なく粛清し、神なのに血も涙もない所を見せてくれます。
翻って人間の方はというとこっちもひどくて、ほとんどどうでもいいような争いとか裏切りとか所業がどんどん出てきて面白いですね。
例えば、ヤコブ(イスラエル)の子のヨセフは異母兄弟達に金でエジプトに売られるんですが、何故か奴隷から宰相にまでミラクル出世して異母兄弟達を許してエジプトに呼び寄せるとか、人間の方は神と違って意外と寛大です。
この他、訳が分からないエピソードとしてはアブラハムの甥であるロトの娘たちが父であるロト(この時すでに爺さん)に酒を飲ませて父の子を妊娠するもロトは酒に酔っていてそのことに気付いていないといった話があって、もうただただ困惑します。
とまあ、こんな感じで旧約聖書には面白いエピソードが満載でして、正直こんなに笑えるとは思ってもみませんでした。意外と旧約聖書はまじめに読んではいけない本なのかもしれませんね。
そんなわけでこの本は旧約聖書を初めて勉強する人におすすめの一冊です。
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