西洋美術史の流れを超わかりやすく解説します


最近は知的教養として西洋美術史くらい語れないとという風潮があって西洋美術の鑑賞法を解説した本が沢山でていますが、とは言え西洋美術史の全体像を把握するのは難しいですし、西洋美術もいろいろと細分化されているように見えるので、なにがなんだかよくわからないというのが実際のところだと思います。

ということで、今回はそんな西洋美術史の流れを出来るだけわかりやすく解説することに挑戦してみたいと思います。

まず、西洋美術の世界は17世紀より前と後で大きく分かれます。17世紀より前がキリスト教やギリシャ神話を題材にした宗教絵画が主流の世界、そして17世紀より後は宗教絵画がどんどんなくなっていき、いろんな芸術運動が出てきます。

この大きな転換点である17世紀の少し前、14世紀から16世紀までがあの有名なルネサンス期でここで宗教絵画は一つのピークを迎えます。そしてもう一つ注目すべき点は西洋美術史はルネサンス期から作家性の時代に入ったという点です。

ルネサンス期以前の宗教美術は基本的に全てが作者不詳であり、芸術家自身にスポットライトが当たることはなかったわけですが、ルネサンス期の辺りから芸術家自身にスポットライトが当たりはじめ、芸術家達も名声を競い始めるようになります。

そしておそらくこのことが17世紀以降の美術史に大きな影響を及ぼしたと考えられます。
17世紀以降の芸術家達はもはや宗教美術という公共的な仕事からは徐々に離れていき、自己表現の為の美術へと傾倒していきます。つまり、17世紀以降西洋美術の主要なテーマが神の世界を表現することから人間の世界を表現することに変わったわけです。

このため17世紀以降の西洋美術では様々な芸術運動が跋扈してくることになりました。作品のテーマが明確に決まっていた宗教美術の時代と違い、17世紀以降の西洋美術は作品のテーマが明確ではない分様々な表現を生み出すに至ります。

写実主義や印象派、キュビズムなど新しい物の見方を示す芸術運動やシュールレアリスムや表現主義、抽象絵画など個人の心の奥にある葛藤やら何やら言語化できない何かを表現する芸術運動など芸術は個人の考えや物の見方を表現するものに変わったわけです。

これら17世紀以降の細分化されたジャンルについては解説すると長くなるので割愛しますが、西洋美術史が一般的にややこしく感じるのは17世紀より後のジャンルの多様性にあるのと、そうしたジャンルの多様性が昔からずっと続いているという誤解によるものです。

しかしながら、17世紀以前の西洋美術は宗教美術であり、宗教美術は聖書やギリシャ神話など決められたテーマによって作られていたわけですから、ジャンルに多様性はないわけです。

こうした形で17世紀より前と後で西洋美術史を大きく分けて考えてやると、西洋美術史をわかりやすく把握するのに役に立ちます。あとは17世紀より前の宗教美術のテーマである聖書やギリシャ神話の理解と、17世紀より後の細分化されたジャンルの個別理解ができれば西洋美術史の全てを頭に入れることができるというわけですね。

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