シズル感とズームアップのアングルで野菜や果物の瑞々しさがありありと表現された斎藤雅緒のスーパーリアルイラストの世界


斎藤雅緒の食

若い頃リアルイラストレーションが好きで自分でも勉強していたんですけど、そのリアルイラストレーションの世界で一番の巨匠といえば誰かというとやはり斎藤雅緒です。

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この斎藤雅緒という人なんですけど、この人はどちらかというと画家というよりはイラストレーターに分類される人で、主に食品のパッケージイラストなんかを手掛けてきた人です。

例えば、ジュースのパッケージなんかだと果物の写真を使うんじゃなくて、果物のリアルイラストを使うのが通例だったりしますから、そうした果物のイラストなんかをずっと手掛けてきた人なんですね。

技法的にはエアブラシを使ってポスターカラーやアクリル絵の具などで描くというものでして、こういった技法はかつてはスーパーリアリズムとして脚光を浴びたものです。今の時代はイラストはデジタルで描くのが主流ですが、昔はエアブラシという道具を使って実際に絵の具で描いていたわけですね。


リアルイラストレーション―細密描写と質感表現の技法 (新技法シリーズ)


ちなみに斎藤雅緒の制作手法はこの本に詳しく載っています(私もこの本持ってます)。

こうした技法は非常に手間がかかるので、今はもう実際に絵の具で描く人はあまりいないでしょうが、昔は絵の具で描く以外に方法がなかったわけですね。

絵の具とエアブラシで描く場合、マスキングといって絵の具を塗りたくない場所を紙で覆い隠さないといけなかったりしますので大変な手間がかかるわけですが、デジタルだと一瞬でマスキングできますから簡単です。こうしたこともあって、こういった技法はもう廃れた技法だといえます。

とは言え、こうした技法で描かれたリアルイラストが価値を失ったかといえばそうではありません。やはりこうした技法でしか出せない味というものがあります。

斎藤雅緒のリアルイラストレーションの魅力はやはりそのシズル感と色の鮮やかさでしょう。絵作りの点ではズームアップのアングルが多用されていて、野菜や果物の瑞々しさがありありと表現されています。

こうしたイラストの数々は殆ど商品のパッケージ用やコマーシャル用に描かれたものですが、アートとしても十分に後世に残っていくものでしょうね。

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